青さについて

Kiss Mintとカロリーメイトとファイブミニみたいな青春

サンドイッチ

「人前でおっぱいを出す女の子と付き合うってどんな感覚なの?」と皆が皆、興味本位で聞いてきたものです。

これは僕の恋の話ではなく、ひとりの女の子の決意の話。

ご存知の方も多々いらっしゃるかとは思いますが、僕はNATURE DANGER GANG(以下NDG)のパフォーマー担当のユキちゃんと恋仲にありました。

彼女がNDGに加入するよりも前の話。2012年の夏頃。
彼女のツイッターアカウントとブログをたまたま見つけた僕は、エロへの独自の感受性から綴られた面白い文章にハマり、添えられた自撮りに魅了され、ずっと画面越しに彼女を追いかけ続けていました。

そして2013年に入り、何やらぶっ飛んだバンドに加入し、ライブでおっぱいを出すというパフォーマンスを繰り出しているらしいと知ったとき、衝撃や欲情より図々しくも「彼女らしいな」と心の中で大笑いした記憶があります。

初めてNDGを生で見たのは2014年のボロフェスタのことで、そのときも別段彼女と懇意な間柄というわけではありませんでした。

翌年6月。丸太町の京都メトロというライブハウスで不定期に開催されるイベント「感染ライブ」にNDGの出演が決定。
それまでツイッター上で他愛もないやり取りをしていただけの関係だったわけですが、僕が1割冗談、9割本気で誘ったデートに本当に来てくれるというファンルール(別に無いけど)に反する最高なイベントが発生してしまったのです。

最初こそ緊張していたものの、話が合うことも分かっていただけにすぐ打ち解け、まるで昔からの友人であったかのように沢山お喋りをしたのでした。

7月。
長期休暇を使って東京の友人と遊び、渋谷でのHomecomingsのライブに参加する予定を立てていた僕は、調子に乗ってまたもや彼女をデートに誘いました。
人のいない土砂降りの雨の江ノ島を相合傘しながらふたりで歩いたとき、既に僕は自分でも気づいていない特別な感情を抱いていたように思います。
強がって自分はあくまでファンなのだから、これ以上は調子に乗らないでおこうと決め込んだのもそのときでした。

ところが事態は思わぬ方向に転がり、意表を突かれるように告白され、おかしな夏が始まってしまったのです。



しかしその日の夜から済し崩し的に交際を始めたものの、数回のデートを経て、最終的には秋の終わりに別れる運びとなってしまいました。

付き合っていた4ヶ月間デートらしいデートもしていません。
思い起こせばライブばっかり。
ハイテンションパーティーとか、りんご音楽祭の前夜祭とか、エグフェスとか、下北インディーファンクラブとか、ボロフェスタとか、Soundgramとか。

なので、NDGのメンバーや共演のバンドの方々、ファンの方々と仲良くなるのは必然のことで、当然前述の通りの質問もしばしば受けることとなりました。

その度僕は「あのパフォーマンスでいまの立ち位置を確立してきた人だから、否定なんてしないし、何なら尊敬している」と答え続けてきました。

その言葉に嘘はありませんでしたが、正直なところ少しモヤっとしていたのも事実でした。
最初は付き合ったことに現実味が無く、パフォーマンスをまだファン目線で捉えてる部分があったのですが、NDGユキちゃんではなく一人の女の子として彼女を好きになっていくうちに独占的な思考が芽生えていたのだと思います。
なるべく表に出さないように努めていたものの、僕が彼女の考えていたことが何となく分かったように、彼女もそうだったのでしょう。
僕の反応を敏感に感じ取り、今後を現実的に考えていくようになり、結局は別れることとなりました。

僕はただのしがない銀行員として日々を送り、彼女は4月16日の大阪でのライブを以っておっぱいを露出するパフォーマンスを辞めました。
モヤっとはしていましたが、いざ辞めるとなると少し寂しいし、彼女のことが心配にもなりました。
今日が彼女の定めた節目である25歳の誕生日。
25歳になったらおっぱい出すのやめる!という宣言は前々からしていたものの、露出パフォーマンスを辞めてからの自分の立ち位置に関してたくさん悩んでいるのだろうと思います。

僕はライブの話になるとあくまでも客観性を持った一人のファンとしての意見しか提示してきませんでした。
しかし、ずっと見守り、恋をして、NDGユキちゃんではなく一人の女の子としての彼女のファンであり続けている僕から言いたいことがひとつ。

君はスタイルを変えたくらいで、自分を見失わないし、いつでも誰からも愛される。
自信を持ってこれからの一瞬一瞬の中、自分が正しいと思ったことに触れて挑戦してください。
何より、僕が好きだった君の文章をしたため続けてください。

誕生日おめでとう。

お互い忙しくなり過ぎて、君の一挙手一投足を見逃さないようにするのも大変そうです。