文月をしたためて
7月の京都といえば何かと胸躍るイベントが多く、直接参加しないにしても浮き足立った街の雰囲気だけでワクワクしてしまうものです。
あまり関係はないのですが、個人的に人生の中で印象深いイベントが発生してしまうのも7月な気がします。
例えば、公式戦とか旅行とか祭りとか恋とか。
そんな7月の話を少し。
学生時代、僕はmellow blueというギターポップバンドを組んでサークルのイベントのみで細々と活動していました。
3年前の初夏、誰も作れないようなポップで死ぬほどエモいアンセムを作ってサークルを引退してやろう!完成したら夏ポテトのCMソングにしてください!ってくらいの意気込みで曲作りをしていた時期がありました。
トキメキも切なさも友情も全部還元できるような一曲をぶつけようと。
そんな折、ゼミ合宿で東京に行く機会があり、これはチャンスとばかりに一日前乗りでずっと行ってみたかった聖蹟桜ヶ丘に行ってきたのです。
言わずと知れたジブリの名作「耳をすませば」の舞台。
行ったからといって特に何があるわけでもないのですが、雫が駆け抜けた景色の中に身を投じる感動は言葉にできないものがありました。
やなやつ!しか言えねえ。
その他Base Ball Bearの名曲「ELECTRIC SUMMER」のPVの撮影場所でもある日本武道館に隣接した科学技術館で童心に返って遊びまくったり(アイコンの写真もそこで撮ったもの)、渋谷のファーストキッチンで友人とダラダラしたりと東京を満喫。
そしてホテルに帰り着くや否や、高揚感に任せサークルメンバーたちとのこれまでを思い起こしながらベッドの上で書き上げたのが「七月」という曲。どストレート。
もうこの曲が作れたから死んでもいいかも!と思えました。
しかし振り返れば駄作でしかありません。
コードも7つだけ、歌詞も小っ恥ずかしいようなもの、メロディーも多分ありふれてる。
それでもサークルの現役生活最後の夏に作った曲というだけで、ディレイとコーラスが効いた感動の粒子が僕の人生に一生ついて回るだろうなあと思ったのです。
夕日を浸した海に抱かれていたい
この感情を忘れずに大人になれたら
という歌詞が2番Bメロにあるのですが、ちょっとした大人になってしまった今、こんな純粋な感情が自分の中に残ってるのかどうか怪しいです。笑
ちょっとでも気を抜くと、休日を充実させる手段や、貯金とか将来への漠然とした不安のことくらいしか考えてない気がします。
ただ学生時代こういう曲を作った、という記憶と記録がある限り僕はいつでも青春を取り戻すことができるのです。
今月で25歳になるけど、それでも青春です。
大人になってしまった今、僕たちは若さに頼っていた頃とは違う形で7月のトキメキを生み出さなければなりません。
自分だけの風物詩。
水辺と、歪まない音楽と、夏服の女の子。
この曲もそういったもののひとつになりつつあるのです。
余談ですが、この曲を作った当時も今も恋人はいません。悲しい。
夏ポテトとサクレ食いてえ。
当時のルーズリーフ。センチメント。。